息子の軽度知的障害を知るきっかけになったのは区の3歳児健診でした。
当時、私は自営業をスタートしてバタバタした日々を過ごしており、
また前妻も離婚を前提に実家に帰していたこともあり、
私の母親に3歳児健診に連れて行くようにお願いして仕事に行ってました。
普段でしたら仕事帰りに子供を迎えに行くのですが、3歳児健診だったので直接家に帰りましたが、
外から1階を見ると何故だか真っ暗。
「ん?」と思いながら自宅に入ると、暗い中で不気味なくらいテレビの青い光が私の母親を照らしていました。
「ん?どうして真っ暗?息子が寝てるから?」と聞いてみると、「こまぁが障害があるかもしれない・・・」とポツリ。?
その時は多少なりとも育児書やひよこクラブを読んでいた私としては
「まぁ、多少の遅れがあったとしても問題ないでしょう」とサラッと返したのですがね。
3歳児健康診査とは(個別通知制) ※私の住んでる東京都の某区の場合です。
検診内容:尿検査、視力検査、聴覚検査、医師による診察、身体計測 歯科健診、
育児相談、栄養相談、歯科相談、心理相談。
必要な場合は精密健康診査受診票を発行(各保健センターで実施)
※今更ながら、ずーっと健診を検診と書いてました。苦笑(ですので修正)
後日、改めて今度はお父さんかお母さんがお子さんと来て下さいとのことでしたので、
私が連れて行くことになりました。
当り前ですが平日の日中、父親+子の組み合わせの家族はほとんどいなくて、
ちょっと居心地は悪かったのですが(笑)、
順番が来て指定された部屋に呼ばれました。
前回の結果を改めて聞き、再度同様のチェックを行いました。先生と同じようにブロックを並べられるか?
鉛筆で丸く円を掛けるか(スタート地点とゴール地点はほぼ同じかどうかなど)、
その他、ちょこちょこ試しましたが、どうやら前回と結果はほぼ同じようでした。
通常、何ら問題なければここで「さようなら!」なのですが、やはり問題があるとのことで、
保健センターの一番奥にある別室に私のみご招待。苦笑
案内された部屋はちょっとした会議室のような場所で、案内してくれた人と既に部屋に居た
ベテランっぽい女性計3人と話し合いがスタート。
話し方、話しの持ってき方は、さすがこちらの感情を考慮していることがダメダメオヤジの私で
も十分伝わってきましたね。で、言われたことは簡単に言いますと・・・
そこで私すかさず「え?通えるんですか?お金が掛からないのなら是非!」と即答。笑
この一言で、一気に場の雰囲気が緩み、女性陣3人は思ってることを次から次へと私に話し始めました・・・笑
毎年、私のように別室に呼ばれる親はちょこちょこいるらしく、その都度、今回私に話したようなことを伝えるのですが、
ほとんどの親は拒否またはプチ切れするようです。
「うちの子に限って障害なんかあるわけない!」「ちょっとのんびり屋さんなだけだ!」などなど。
だから対応にはかなり気を使うとのことらしいです。
私のようにすんなり話しを受け入れてくれる人って数えるくらいしか当時はいなかったようです。(かなりの少数派)
帰り際はみんなでニコニコしたりして和やかな感じでしたよ。笑
まぁ、なぜすんなりと療育センターに行くことを決めたかと言うと、
やはりちょっと気になる点があったからなんですよね。
始めて「ママ!パパ!」って言ったのは1歳の頃。当時は「案外早くねー!」と思ってました。
また母乳離れもスンナリOK、一人で立ち上がったのも普通でしたが、喋りの方がその後あまりなくなりましてね。
3歳でも車はブーブーでしたし。
で、気になるのは前妻との大ケンカ。当時は子供の前でもかなりの大声でケンカをする日々が続き、
それを見て喋れなくなっちゃったのかな・・・とか、色々と思うことがありましたので、
これも何かの縁と考えて療育センターに通うことを決めました。
あっという間に18年です。(そう、この記事は2018年10月に書いてます。)
うちのサイトに訪れる人で一番多いキーワードが3歳児健診絡みです。
例えば代表的なものでは「3歳児健診 ひっかかった」とかですね。(これを読んでるあなたももしかして・・・(^^))
あと、実は私が「3歳児健診」のことを誤って「3歳児検診」と書いてしまい、私と同じように「検診」で検索した人にこのサイトが目に留まった・・・といった感じでしょうか。(^^ゞ
ひっかかりポイントってたぶんたくさんあると思うんですよ。
まずはお母さんやお父さんに対して色々と質問をし、そこから出てきた悩みや現状を聞きつつ、
今のお子さんの状態を色々とチェックすると思います。
運動の発達面では粗大運動や微細運動の確認などをチェックされたはず。
その他、生活習慣だったり子育ての状況だったり、接種済みのワクチンの状況だったり。
で、やはり最大は精神の発達面かなと。
言語だったり認知だったり。または社会性に関する発達状況だったり。
言葉が遅いって悩みはやはり一番多いかな。二語文が出てないようだと、やはり心配ですしね。
公園とか同じ年のお子さんと遊ばせてる時など、言葉の多さ少なさってのが分かるから特にね。
「おかし、たべる」「ワンワン、かわいい」「パパ、しごと」なんて言葉がこの年代では言えると考えられており、
自分の名前や年齢も答えられる。
また、「だれと」とか「どうやって」とか「なにしたか」とか物の大きさ(長さ)の比較なんかの質問にも答えられる。
ただ、問題なく二語文が言えるから「大丈夫だ!」とならない場合もあるんですよね。
会話が一方的だったり、やたらと決まり文句(流行言葉)みたい発言が目立ったり。
専門家としては「二語文」がでないと、まず「ん?」となるわけですね。
または上で書いたような会話が一方的だったり。
なぜできないのかと考える。
もしかしたら難聴が原因かもしれないし、当サイトで取り上げている知的障害という知的な面の障害かもしれない。
一方的な会話などが目立つと、自閉症やコミュニケーションの障害を疑ったり。
ただ、やはり言語の面だけで確証は得られないので、その他の面をより慎重に確認することになるんですよね。(こだわりとか)
言語の他には認知や社会性です。
認知ですが、これも上に書きましたが、物の大小や長短が分かっているか、赤色、青色、黄色、緑色の色が分かるか(区別できるか)や、
身体の部位を答えられるか(鼻を指して、これなに?にって聞いて「鼻」と答えらえるかなど)。
社会性はごっこ遊びとかできるか(女の子ならままごと、男の子なら怪獣ごっこ、自動車ごっこなど)や、同年代のお友達と遊べるかなど。
3歳になると何でも自分でしようと思う自主性が徐々に出てきます。ただ、もちろん善悪も分かりませんよね。
そこでお母さんやお父さん、他の人が「それはしちゃだめ」とか「今はだめ」とか注意する。
すると子供は「あ、これは今しちゃだめなんだ」と我慢を覚えたり、「あ、これは悪いことなんだ」と考えたりしながら社会性を身につけるのですね。
言葉の遅れがあり友達と遊べない、他人とかかわることが出来無い場合、知的障害や広汎性発達障害を疑われます。
言葉の遅れないが友達と遊べない、他人とかかわることが出来ず、更には他人と視線を合わせない、特定の物や遊び方などに強いこだわりがあったりすると、アスペルガー症候群を疑い、多動や衝動性が強いとADHDを疑います。
ま、ここまで色々と書いてみましたが、対人コミュニケーションって「経験」がものをいうといってもけしてオーバーじゃないと思うんですよ。
お母さんが他のお母さんと話すのが苦手て、子供があまり遊んでいない公園にしかいかないとか、ほとんど家で過ごしてたら「他人とのかかわり方」を子供も分からぬまま成長し、健診などで指摘される可能性が高くなってしまいますよね。(人間は環境に左右される生き物ですしね。)
だから同じ歳くらいの子供たちと関われる環境を意識して作り、経験値をあげることによって社会性を身につけることで、良い方向に持っていくことも可能だったりするわけです。(環境要因の調整ってやつですね。)
もちろん、そうやって経験させていく上で、改めて他人とはちょっと違うこだわりが見つかったりする場合もありますね。
(そこで改めて医療機関や自治体の福祉に相談しようと思うきっかけにもなると思います。)
18年経ってから、なぜ今更、「スタートは3歳児健診」の記事に追加で書いたかというと、改めて18年前の3歳児健診で指摘されて良かったなと思ったからです。今、この記事を読んでくれてる人は、まさに今、指摘された人ばかりだと思います。ショックで何も手がつかない人、夫婦間の考えの違いが出てしまい、喧嘩が増えた人、前向きに「良し、なんとか良い方向に持っていこう!」って思ってる人など様々だと思いますが、私は「今では指摘されて良かった」と。(^^)
指摘されたおかげで、障害について勉強し、良かれと思ったことは実践した。
人間って不思議なというか実は当たり前だったりするのですが、「既に知っているものしか認識できない」のです。
それはそうですよね、フラれた経験の無い人はフラれた人の本当の気持ちも分からないもの。
旦那さんと町に出て、目の前をフェラーリやポルシェが通り、旦那さんが興奮してても、車に興味のない奥さんは特に何も感じないのと一緒ですから。笑
障害についての知識は、家族などの身内に障害のある人がいない限り、「知らない」が当たり前です。
「知らない」から子供たちに対する接し方も自分がされてきたようにやるとか、友達が子供と接するのをみて真似したり、育児雑誌などの情報を参考にしたり。
それが指摘されたことで「知る」のです。
「知る」ことで、これまで抱いてた子供の成長に対するモヤモヤ感が和らぐことだってあるでしょう。
また「知った」ことで、障害に関する知識を身につけ、お子さんにあった療育を早くから取り組み、結果的にプラスに持っていくこともできるでしょう。
もちろん、たまたまのんびり屋さんで保健所の知らない環境でドキドキして力が発揮できないだけで、問題なかったという人もいるでしょう。
どうしても身体的、精神的な問題を指摘されるとネガティブな思考に偏りがちですが、見方を変えると実は子供にとっても親にとっても「プラス」なんです。
これまでの育児に対する考えや姿勢にプラスαできる「キッカケ」に繋がると思うんです。
今は難しいかもしれませんが、是非ともポジティブな思考に切り替えて、子供の成長を楽しみに見守りましょう!